- 結論を3行で
- 展示会ブースでARが効く理由|「立ち止まる・体験する・拡散する」
- 展示会ブースのAR活用パターン5選
- ① フォトスポット・記念撮影AR
- ② 製品の3D・原寸ARデモ
- ③ ブース回遊AR(スタンプラリー)
- ④ ARクイズ・診断・ゲーム
- ⑤ 名刺・配布物AR(リード獲得と会期後フォロー)
- ブース動線とAR配置の設計|誘引→体験→回遊→リード
- 【事例】イベント・展示空間でのAR施策
- 展示会AR施策の費用と制作期間の目安
- 展示会ARの効果測定|回遊率・体験率・商談接続を追うKPI
- 集客・回遊率を上げる企画3原則
- 導入の進め方|企画から会期当日までの4ステップ
- よくある質問
- 来場者にアプリのインストールは必要ですか?
- 実物を持ち込めない大型製品もARで見せられますか?
- 展示会ARの費用はどのくらいからですか?
- 効果測定(回遊率やリード)はできますか?
- 展示会ブースのAR施策はTOBIDASEにご相談ください
結論を3行で
- 展示会ブースのARは、立ち寄りのきっかけづくりやブース内の体験・回遊に活用できます。通路からは案内物や体験例を見せ、スマホでARを起動してもらう動線を設計します。
- 代表的な使い方は、フォトスポット・製品の3D原寸デモ・回遊スタンプ・ARクイズ/ゲーム・名刺/配布物ARの5系統。目的(認知・体験・リード)に合わせて動線に沿って配置するのがコツです。
- 本記事では、活用パターン5選・ブース動線への配置設計・隣接事例・自社の公開料金と制作期間・回遊率を測るKPI・企画の原則を、AR制作会社の視点でまとめました。
「展示会に出展するが、ブースの前を素通りされてしまう」「名刺は集まるのに、記憶に残る商談につながらない」——BtoB展示会でよく聞く悩みです。来場者は限られた時間で会場を回るため、接点の設計が大切です。そこで検討したいのが、スマホで体験する展示会ブースのAR活用です。本記事では、実際にイベント・展示空間のAR制作を手がける立場から、集客・回遊率を上げる仕掛けを整理します。イベント全般での使い方はARイベント活用の完全ガイドもあわせてご覧ください。
展示会ブースでARが効く理由|「立ち止まる・体験する・拡散する」
展示会は「短時間・大量出展・情報過多」の場です。2026年に業務目的の来場者1,089人を調べた展示会白書の来場者調査では、1ブースの滞在時間は「5〜10分未満」が36.8%、「10〜20分未満」が39.5%でした。訪問社数は「4〜6社」が43.1%、「7〜10社」が32.0%です。この調査は個々の展示会での滞在時間やARの成果を保証するものではありません。限られた接点で、足を止めてもらう、体験してもらう、帰った後も思い出してもらうための手段としてARを検討できます。
- 「何だろう」と足を止めるきっかけ:通路側の案内物や撮影例、説明用モニターで体験の見え方を伝えます。スマホ内のARは起動前の通行者には見えないため、ARを置くだけでは内容は伝わりません。
- 体験を通じた製品理解:「かざす・動かす・撮る」といった操作を、製品説明や会話のきっかけにできます。滞在や商談につながるかは体験内容と案内の仕方によります。
- 来場者による共有:ARで撮った写真・動画を投稿できる設計は、会場外に体験を伝える一つの方法です。投稿は任意であり、拡散や会期後の効果を保証するものではありません。
展示会ブースのAR活用パターン5選
展示会で使われるARは、「来場者に何をさせたいか」で整理すると選びやすくなります。代表的な5パターンを、狙い・体験内容・向いている出展目的で見ていきます。まずは自社ブースの課題と、追いたいKPIが一致する行から候補を絞ってください。
| 主目的 | 向いているAR | 設置場所 | 最初に見るKPI |
|---|---|---|---|
| 認知・足止め | フォトスポット | 通路側 | 立ち止まり数・撮影開始数 |
| 製品理解 | 3D・原寸デモ | 説明員の近く | 体験開始数・完了率 |
| ブース回遊 | ARスタンプラリー | 複数の展示ポイント | ポイント通過率・完走率 |
| 会話のきっかけ | ARクイズ・診断・ゲーム | 待機列・商談席の手前 | 回答完了数・説明員への接続数 |
| 会期後フォロー | 名刺・配布物AR | 出口・資料配布場所 | 再訪数・フォーム到達数 |
① フォトスポット・記念撮影AR
ブースの一角やパネルにARを仕込み、来場者が自分のスマホでキャラクター・製品・世界観と一緒に記念撮影できるタイプです。アプリ不要のWebARなら、QRを読み、ブラウザで案内に沿って体験できます。「撮りたくなる絵」はSNSでの共有を促す企画の一つです。ブランドの世界観を打ち出したい出展や、BtoC寄りの製品PRに向いています。
② 製品の3D・原寸ARデモ
大型機械・建材・車両・設備など、ブースに実物を持ち込めない製品を、原寸大の3D ARで“その場に出現”させるタイプです。来場者が製品の周囲を歩いて見たり、内部構造や設置イメージを確認したりする体験を設計できます。大きさや使う場面を伝え、BtoB・産業系の出展での説明や商談のきっかけにする方法です。当社には下田の遊覧船上で約78mの黒船を見せたWebARの実績があります。製品デモに応用する際は、展示会の空間、端末、通信、位置合わせ、権利と安全の条件を確認します。

③ ブース回遊AR(スタンプラリー)
ブース内やパビリオン内の複数ポイントをARスタンプで巡ってもらうタイプです。「全部集めるとノベルティ」といった参加理由を設け、奥まで足を運ぶきっかけを作れます。複数出展社をまたぐ会場全体のスタンプラリーにも展開できます。回遊率やポイント別の体験ログを把握するには、計測するイベントと対象を事前に設計します。費用は後段の自社公開料金表をご覧ください。
④ ARクイズ・診断・ゲーム
製品知識のクイズ、課題を選ぶ診断、ルーレットやミニゲームをスマホで体験してもらい、説明員との会話のきっかけを作るタイプです。「スコアで景品」といった参加理由を用意すると待ち時間も体験に変えられます。回答結果に応じて見せる製品や説明を分ければ、単なる賑やかしで終わらず、来場者の関心に合う商談へつなげられます。
⑤ 名刺・配布物AR(リード獲得と会期後フォロー)
配布するチラシ・名刺・カタログにARを紐づけ、持ち帰った後にかざすと製品動画や3Dが立ち上がるタイプです。ブースで話しきれない情報を“持ち帰り体験”として届けられ、会期後の想起・再訪問を後押しします。QR起動のWebARで起動・完了・時刻・導線別アクセスを計測する場合は、必要なイベントを実装し、観測範囲と重複の扱いを決めます。個人単位で営業リードに結び付ける場合は、フォームや名刺受付など別の識別導線と接続します。
ブース動線とAR配置の設計|誘引→体験→回遊→リード
ARは「置けば効く」わけではありません。来場者の動線に沿って、目的の違うARを段階的に配置することで、足を止める→体験→回遊→リードの流れを設計できます。下図は、その配置の考え方をブースの平面でまとめたものです。通路側ではARそのものではなく、案内物や体験例を見せます。
展示会の集客を下図のような“ファネル”で考えると、通行から立ち寄り、体験、相談までの各段階で何を記録し、どこを改善するかを整理できます。SNS投稿は任意の行動として別に集計します。
【事例】イベント・展示空間でのAR施策
ここでは、TOBIDASEが手がけたイベント・展示空間でのAR施策を紹介します。いずれも展示会ブースそのものの成果事例ではなく、展示空間での体験設計や会場でのSNS参加を検討するための隣接事例です。展示会での来場数・商談数の実績として読み替えず、企画と実装の参考としてご覧ください。


BANANA YAMAMOTO × ARは、点描作品の巨大化・立体・アニメーションを角川武蔵野ミュージアムと荒川河川敷で検証撮影した事例です。作品を実空間に重ねる発想は、展示会ブースの製品・パネルの見せ方を検討する際にも参考になります。実際の制作では会場の空間や端末、通信、権利、安全の条件を確認します。

舞鶴カレーフェスタでは、会場で使えるInstagram ARエフェクトを制作し、来場者自身の投稿を促す導線を作りました。これはMeta Spark終了前の過去事例であり、現在の新規施策では同じ「撮って投稿したくなる」企画をWebARや現行のSNSエフェクト基盤へ置き換えて設計します。
展示会AR施策の費用と制作期間の目安
展示会ARの費用は、選ぶパターン・3Dや動画の作り込み・既存素材(製品3Dデータやロゴ)を再利用できるかで変わります。下表はTOBIDASEの公開開始価格と含まれる範囲です。展示会全体の相場や同一仕様の価格比較ではありません。正確な金額は要件を伺ってお見積もりします。
| サービス | 自社の開始価格 | 制作期間の目安 | 含む範囲 | 追加で確認する内容 |
|---|---|---|---|---|
| WebAR | 40万円〜(税別) | 約1〜2ヶ月 | 企画・コンセプト、WebARコンテンツ1本、体験ページとQR、中間レビュー、公開サポート | キャンペーン設計・分析・景品、現地ロケハン、多言語は内容別見積 |
| ARスタンプラリー | 60万円〜(税別) | 約1〜2ヶ月 | 企画、スポット設計、スタンプ・完走画面、体験ページとQR、現地案内文言、中間レビュー、公開サポート | キャンペーン設計・分析、景品調達、応募規約・事務局、掲示物は別見積 |
WebAR・ARスタンプラリーの両サービスとも月額契約・最低期間はありません。ただし、無期限の保守や延長が無料という意味ではありません。大型製品の3Dなど新規素材の制作、会場ごとの端末・通信・位置合わせ・検証、スタッフ・機材、掲示物、公開期間・更新・保守・延長、計測は見積時に範囲を確認します。
展示会ARの効果測定|回遊率・体験率・商談接続を追うKPI
会期前に目的を決め、通路から体験、商談までの各段階で何を記録するか整理します。率を出す場合は、対象・期間・一人の数え方を分子と分母でそろえます。立ち寄り人数や通行人数と、重複を含む起動などのイベント回数は異なるため、そのまま割って人数ベースの率にしないようにします。
| KPI | 計算方法 | 数字が低いときに見直す点 |
|---|---|---|
| 立ち止まり率 | 立ち止まった人数 ÷ ブース前の通行人数 | 通路からの見え方、コピー、AR体験の見本 |
| 体験開始率 | ARを起動した人数 ÷ ブース立ち寄り人数 | QRの位置と大きさ、説明員の声かけ、起動手順 |
| 体験完了率 | 体験を完了した人数 ÷ 起動した人数 | 読み込み時間、操作数、体験時間、端末対応 |
| 回遊完了率 | 全ポイント完了人数 ÷ 参加人数 | ポイント配置、難易度、景品条件、混雑箇所 |
| 商談接続率 | 説明員への接続またはフォームを完了した参加人数 ÷ AR参加人数 | 結果画面のCTA、スタッフ台本、商談席への導線 |
上の人数ベースの率は、それぞれの段階を同じ対象について数えられる場合の例です。人数の対応が取れない場合は、観測できた人数やイベント回数を別々に報告します。起動・完了・ポイント通過の計測には必要なイベントの実装が必要で、観測範囲や重複の扱いを事前に決めます。計測・分析は開始価格に一律に含まれるわけではありません。日別・時間帯別・配置別に同じ定義で記録し、QR位置や声かけの見直しに役立てます。個人別の営業フォローは名刺受付やフォーム送信と分けて取得し、来場者に利用目的が分かる導線にします。制作相談の件数は営業連絡やSNS投稿数と分けて評価します。
集客・回遊率を上げる企画3原則
技術的に「動くAR」を作ることと、展示会で集客と商談につながるARを作ることは別物です。企画を検討する際の原則を3つに絞って共有します。
- ①「通路から見える」ことを優先する:スマホ内のARは起動前には見えません。通路側に大型ビジュアル、撮影例、説明用モニターなどを置き、体験の内容と参加方法を伝えます。
- ②“撮って投稿したくなる”絵を用意する:共有を狙う場合は撮影例、ハッシュタグ、撮影ガイドを用意します。投稿は任意であり、投稿率の上昇を保証するものではありません。
- ③KPIを先に1つ決める:名刺獲得数・滞在時間・SNS投稿数のどれを最優先にするかで、選ぶパターンも配置も変わります。測れる範囲と数え方も決めます。
導入の進め方|企画から会期当日までの4ステップ
展示会ARは、おおむね次の4ステップで進みます。出展テーマや会場レギュレーション、既存の3D資産の有無で期間は前後します。
- STEP1 目的とKPIの決定:認知・体験・リードのどれを主目的にするかを定め、ブース面積と動線に落とし込む。
- STEP2 パターン選定・演出設計:フォトスポット/3Dデモ/回遊スタンプ/配布物ARから選び、再利用できる素材と必要な権利を確認する。
- STEP3 制作・実装・会場検証:3Dや動画の制作、WebARの実装、そして本番会場を想定した通信・端末の動作検証を行う。
- STEP4 会期当日の運用:QR掲示・撮影ガイド・スタッフ導線を整え、体験と投稿を案内する。取得データは利用目的に沿って会期後の振り返りやフォローに使う。
会期前の最終確認では、次の5点を実機で通します。
- 混雑時間帯を想定した会場回線と、主要なiPhone・Android端末で起動できるか
- 通路からQRと「何が起きるか」が読め、照明の反射や影で認識を妨げないか
- 待機列が商談席や避難導線を塞がず、スタッフが短い説明で体験を案内できるか
- 景品・撮影・フォーム入力に必要な権利表示と利用目的を来場者が確認できるか
- 通信や端末で起動できない場合に、動画・静止画・口頭デモへ切り替えられるか
よくある質問
来場者にアプリのインストールは必要ですか?
WebARで実装すれば不要です。QRコードを読み込み、ブラウザで案内に沿って体験するため、専用アプリのダウンロードは要りません。TikTokのARエフェクトはTikTokアプリ内で体験します。Instagramでは第三者制作エフェクトの公開基盤Meta Sparkが2025年1月に終了したため、新規施策はWebARや現行のSNSエフェクト基盤から選びます。
実物を持ち込めない大型製品もARで見せられますか?
製品を原寸大の3D ARで見せる方法があります。3D CADデータを利用できる場合は制作範囲を検討しやすくなります。当社には遊覧船上で約78mの黒船を見せたWebARの実績がありますが、展示会への応用には空間、端末、通信、位置合わせ、権利と安全の確認が必要です。
展示会ARの費用はどのくらいからですか?
TOBIDASEの公開開始価格は、WebARが40万円〜、ARスタンプラリーが60万円〜です。いずれも税別で、制作期間の目安は約1〜2ヶ月です。展示会全体の相場ではなく、素材、会場検証、計測や運用などの範囲によって個別にお見積もりします。
効果測定(回遊率やリード)はできますか?
必要なイベントを実装し、観測範囲と重複の扱いを決めれば、起動・完了・ポイント通過などを計測できます。人数ベースの率には分子と分母の対象・期間・数え方をそろえる必要があります。個人単位のリード判定にはフォームや名刺受付との接続が別途必要です。計測・分析は開始価格に一律に含まれるわけではありません。
展示会ブースのAR施策はTOBIDASEにご相談ください
展示会ブースのARは、動線に沿って目的の違うARを配置することで、体験・回遊・相談につながるきっかけを設計できます。TOBIDASEではフォトスポットやWebAR、ARスタンプラリー、大型3D演出などを検討できます。「ブースに製品を原寸で出したい」「回遊を増やしたい」といった企画が未確定の段階でも構いません。お問い合わせフォームから、会場写真や図面、会期、目的、使える素材、予算(未定でも可)をお知らせください。会場条件を確認し、制作範囲と概算をご相談いただけます。